分かるから書くんじゃない、書くから分かるんだ!~数学指導時の口ぐせ
数学ができる方の生徒でも、ノートを見せてもらうとがっかりすることがある。
それは、試行錯誤した形跡がノートに残っていないことである。
例えば高校生で4ステップやサクシードを解いたノートを見せてもらうと、B問題レベルでは正解まで一切のムダな記述がなく正解に辿り着き◯がついているか、何も書けず解答を真っ赤に写して☓がついているかの両極端であることが多い。
(マルの付け方に関しては以下の記事をご参照)
生徒に何が分からなかったのかを聞くと、それなりの理由が返ってくる。何も思いつかなかった訳ではない。思いついたことが正解への道筋とずれていたり、解答の一部にはならない式だと勝手に判断し、ノートに書くことを躊躇してしまうのである。
これでは、公式を当てはめるだけの問題か、あらかじめ解法暗記した問題しか解けなくなってしまうので、こうしたノートを見た場合は厳しく注意するようにしている。
直接は関係なさそうでも、問題文から言えることをランダムに落書きし、その自分の書いた字を見て試行錯誤することで次の一手が見えることがよくあるのだ。現に指導の場で、その思いついたことを書いてもらうと、「あっ!」とか言って私が何も教えていないのに自己解決してしまうこともある。
(いつもそんな風にうまくいくほど数学は甘くはないが)
記事タイトルの言葉は、よく言われていることだが、実践出来ている生徒は少ない。
中には、「そういう落書きはメモ用紙に書いていますが捨てました」という生徒もいる。これは、書かないよりはるかにマシだが、私が見られないので、ノートに落書きも残すようにするか、そのメモをノートに貼るように指示している。
特に中学生では掛け算、割り算の筆算をよく見ないと危ない。
紙面を広く取り、図やグラフを大きく書き、落書きメモをどんどん書いていく大胆さと、分数は2行に書き、qは9と間違えないよう筆記体で書き、イコールは縦に揃えて書くといった繊細さの両方を生徒の数学のノートに求める。
かく言う自分自身も所見の問題を解くことが少なくなってきて、最近こうしたノート作成していないが、来年度は知識が怪しい数Ⅲの複素(数)平面を指導する予定なので、数Ⅲの指導ノートは大胆かつ繊細なものを作っていきたい。