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数学・物理・英語などを指導して15年目の個人契約の家庭教師です。川口市(旧鳩ヶ谷市)在住です。

できるだけ小さい自然数をかけたり割ったりしてある数の2乗にする

中3数学で学ぶ展開・因数分解は高校数学への土台となる重要な単元のひとつです。
普通は展開→因数分解の順に学びますが、因数分解の前に素因数分解というものがありますね。
筆算すればいいんでしょ、簡単カンタンと油断していると、学校ワークに突如、「360にきるだけ小さい自然数をかけてある数の2乗にしたい。どんな自然数をかければよいか。」といった問題に出くわします。「何これ、ちょっと意味が分からないよ。」と手が止まってしまった人も多いのではないでしょうか。
今回はこうした問題を2題解説してみました。参考になれば幸いです。

 

目次

(1)できるだけ小さい自然数をかけてある数の2乗にする

20180705_kakete-shizensuu

もしこの問題が360ではなく12だったら、小さい順に12×1=12でNG、12×2=24でNG、12×3=36で6の2乗だからOK!

よって、かける数が3である数が6とわかります。このように、当てずっぽうで解いても答えだけなら求まりますし、実際にわかりやすい数で実験してみて問題の意味をつかみ取る、という考え方は大切です。
ただ、今回は360と数が大きいので、360×2=720、360×3=1080と計算していっても厳しそうです。そこで、素因数分解が威力を発揮します。
詳細は上の画像を見てもらうことにして、ここではポイントだけ記します。

  • 略解の一行目のように、四角やマルの記号を使って表す
  • 四角の中には、各素因数の指数が偶数になるような数を入れる
  • 指数法則を逆向きに使う

3つめを補足します。 \begin{equation*} \left( a^{2} bc\right)^{2} =a^{4} b^{2} c^{2} \end{equation*} これは中1で習ったので大丈夫ですね。この問題ではこの式を逆向きに使います。つまり、 \begin{equation*} a^{4} b^{2} c^{2} =\left( a^{2} bc\right)^{2} \end{equation*}を使います。これを使うためには左辺のa,b,cのそれぞれの指数が偶数である必要があります。指数が偶数になるように四角の中に入れる素数を決定します。

 

(2)できるだけ小さい自然数で割ってある数の2乗にする

20180705_watte-shizensuu

基本的な流れは(1)と同じですが、ポイントを記します。

  • 略解の一行目は、割り算の記号画像のように左辺をで表す
  • 四角の中には、約分したあとに各素因数の指数が偶数になるような素数を入れる
  • 7は約分されて1になりこれもOK

まとめ

いかがでしたでしょうか。この問題は素因数分解の威力が分かるいい問題だと思います。
学校のワークで挫折してしまった人もぜひ再チャレンジしてみて下さいね。