絶対値が2箇所にある一次不等式の解き方
絶対値がなければとても簡単な一次不等式ですが、絶対値がつくと場合分けが必要になって難易度がぐんと跳ね上がりますね。今回は、絶対値付きの一次不等式について2つの解き方を紹介します。
目次
絶対値付きの一次不等式
【解1】は通常の場合分けによる解き方、【解2】はグラフを用いた視覚的な解き方です。不等式とグラフの関係については、中学校の1次関数を少し発展させただけなので理解しやすいと思います。
それぞれの解法について画像で説明しきれなかったポイントを補足します。
【解1】の補足ポイント
教科書や参考書によって解答の表現が異なっているため、解答の全体像が理解しにくい方もいらしゃるかもしれません。上の解答では番号を多めに振って、それらを「かつ」「または」で結ぶことにより全体像がわかりやすいようにしました。
解答の流れ
- (ⅰ)のとき、①かつ②より③
- (ⅱ)のとき、④かつ⑤より⑥
- (ⅲ)のとき、⑦かつ⑧より⑨
(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)より、③または⑥または⑨の範囲が答え
【解2】の補足ポイント
問題文の不等式の両辺をそれぞれ「yがxの一次関数である」と見てあげて、①と②のグラフを描きます。②のy=10は大丈夫ですね。①のグラフを描くのに時間がかかってしまう方は以下の手順で書いてみてください。
y=|x+2|+|2x-3|を書く手順
まずxの一次式なのでこのグラフが折れ線になることは覚えておく。
線分CDを先に書いてしまい、そのあとで半直線CA、DBを付け足す。
線分CDの描き方
2箇所の絶対値の中身が0となるxを求める。
x=2,3/2となり、これが折れ曲がる点C、Dのx座標になるので、①に代入してy座標も求める。
点C、Dをプロットし線分CDを描く。
半直線CA、DBの描き方
半直線の傾きは絶対値を外したときのxの係数と一致する。
傾きはそれぞれ-3,3とわかるので点Cから左上方向、点Dから右上方向に半直線を引く。
①、②の交点は中学校の一次関数の解き方で求められますね。
①のグラフが②よりも下にあるようなxの範囲が答えになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。【解2】のほうがスマートに見えますが、実際には半直線CA、DBの式を求める際に絶対値を外しているので、場合分けをしていることにはなります。まずは【解1】で場合分けの考え方を身につけてから、実際のテストなどで【解2】のグラフを用いて時短をはかるのが良いかと思います。