2019年センター試験 数学1A~手書き答案
2019年センター試験 数学1A~手書き答案
2019年センター試験 数学1Aを解いてみました。
整数問題で大問全体の意図に気づかず時間を取られてしまいました。
誘導に乗ることの大切さに気づかせてくれる良問でした。
また、ユークリッドの互除法よりも合同式の考え方の方が早く解けることに後から気づいたので、別解としてメモしています。
一通り解いただけできちんと確認できておりません。間違いなどございましたら、ご指摘頂けると幸いです。
2Bは明日に解く予定です。
複素数平面のアプローチ方法~4つの解法を比較する
数学Ⅲで学ぶ複素数平面は、複数のアプローチ方法があって解答の方針で迷うことがあると思います。今回は1つの問題を4通りの解法で解いてみました。
複素数平面の基本の確認にもなると思いますので、参考にしてもらえたら幸いです。
画像のみでの解説になることをお許しください。
複素数平面の4つの解法
\begin{align*} &(1) \ z,\overline{z} のままで解く\\ &(2) \ z=a+biとおいて解く\\ &(3) \ z=r(\cos θ+i\sin θ) とおいて解く\\ &(4) \ 図形的に解く \end{align*}
※(2)は直交形式、(3)は極形式と呼ばれています。
点Qが描く軌跡~反転について(名古屋大2007年)
大学受験の数学で、ある点の軌跡を求める問題は頻出です。軌跡は高校では数学Ⅱ「図形と方程式」の分野で習いますが、入試では数学A「平面図形」や数学B「ベクトル」との融合問題も多く、出題されやすいのも分かります。
今回は、軌跡の中でも難関大でよく出る「反転」というテーマを背景にした入試問題を解説します。
「反転」をテーマにした入試問題の解説
(1)の補足
この問題を、接点AとBの座標を円の接線の公式を使って求め、線分ABの中点Qの座標を出すというように、数学Ⅱ「図形と方程式」の知識だけで解こうとすると、計算がとても煩雑になってしまいます。(画像になくてスミマセン)
そこで、上の画像では下記の手順で解答を記述しています。
- 三角形の相似からOP×OQ=1を証明する・・・数学A「平面図形」
- 3点が一直線上にある条件とOP×OQ=1から点Qの座標を求める・・・数学B「ベクトル」
(2)の補足
\begin{gather*} (1)で点Q( x_{1} ,y_{1}) を点P( x_{0} ,y_{0}) で表すことができたわけです。\\ ここからx_{0} ,y_{0} について解き、x+y=2に代入して、 \end{gather*}
と通常通りに進めるとやはり計算が大変そうです。
そこで、上の解答では、 \begin{gather*} 点Pのx_{0} ,y_{0} を直接点Qのx_{1} ,y_{1} で表す\\ \end{gather*}
ことで、計算量を大幅に減らしています。また、反転の性質から、点Pの座標を(1)を求めるのに点Qの座標を求めた解法を用いています。
これで、点Q軌跡の方程式が求まります。
(ここからは下の画像の説明)
最後はいわゆる軌跡の限界についてチェックし、原点が除外されることを確認します。
結局、点Qの軌跡は円(原点を除く)となります。
直線や円を「反転」させると像(軌跡)はどうなるか
こうした解法は、「反転」というテーマが背景にあることを知らなければ、なかなか思いつけないと思います。
「反転」の説明と例題に関しては、受験数学の神サイトである「受験の月」さんの下の記事が素晴らしすぎます。いつ拝読してもすごい。。。
私の画像にある「参考」では、名古屋大学の問題を少し一般化して、
点Pが直線や円周上を動くとき、点Qの軌跡はどうなるか
について説明しています。直線または円の方程式を \begin{equation*} a\left( x^{2} +y^{2}\right) +bx+cy+d=0 \end{equation*}
という一つの式で表しているのがポイントです。
結論として、点Qの軌跡は(ア)~(エ)の4パターンに分類されます。
- (ア)点Pが原点を通る直線上を動くとき、点Qは元の直線を描く(原点を除く)
- (イ)点Pが原点を通らない直線上を動くとき、点Qは原点を通る円を描く(原点を除く)
- (ウ)点Pが原点を通る円周上を動くとき、点Qは原点を通らない直線を描く
- (エ)点Pが原点を通らない円周上を動くとき、点Qは原点を通らない円を描く
見にくいですが、2枚めの画像の右上あたりに、今回の名古屋大の問題にあてはめたものを載せています。(イ)の結果に代入し、点Q軌跡の方程式が求まっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介した「反転」は受験数学において、「逆像法」(大学への数学では「逆手流」)というテーマのサブテーマです。有名な1対1でも取り上げられていますので、気になった方はチェックしてみてください。
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